『許せない』という気持ちについて。
過去の私は、『許せない』という気持ちゆえに、苦しいと感じることがありました。
『どうしても腹が立つ、許せない、悔しい、分かってほしい。』
このような思いがわきあがっては、怒りでいっぱいになって、苦しくなりました。
こんな思い手放せるもんなら手放したいけど、どうしても、許せないという思いがわいてくる。
今日は過去の私の苦しみの1つでもあった、『許せない』について解説します。
許せないという大きなエネルギー
『許せない』この気持ちは誰もが抱いたことがあるのではないでしょうか。
とくに、恋愛で悩んでいる、いつも悲しい恋愛を繰り返してしまう、という方ほど、この思いが取り残されることも少なくないと思います。
”許せない”って苦しいですよね。
お伝えした通り、過去の私も、長い間、許せないという感情に苦しんでいました。
許せないが憎しみや悔しさに変わり、その”許せない”という思いをバネにして、そのエネルギーを使って、何かを覆すかのように、身がボロボロになるほど頑張り続けたこともあります。(当時は”許せない”がエネルギーの源になっているとは知らずに頑張っていました。笑)
許せないというコップに、お水が溜まりすぎて、お水が溢れると、時には怒りから憎しみ、殺意に変わったりする時もありました。(それくらいの果てしない怒りと憎しみをずっと抱えていました)
それくらい、この許せないという気持ちは、良くも悪くも、とてつもない大きさのエネルギーでした。
正しさや良い子でいることで分からせようとする
そんな私は、”許せない人”に対して、いつも繰り返している復讐パターンがありました。
当時の私にとっては、それが復讐のつもりはなかったものの、今振り返ると、『やり返したい、分からせたい、同じ痛みを分かってほしい』という意味で、復讐したかったのです。
復讐って、この単語だけ聞くとドロドロしていますが、その言葉のたどり着く先は、『どれだけこちらが痛かったか、傷ついたか、知ってほしい、心から反省してほしい。』ということを、どうにかしてでもさせよう、とすることなのだと思います。
このように、私のいつものパターンとして、許せない対象に対して
- どうにかして分からせたくて
- 気づかせたくて
- 突き落としたくて
- 時に、屈辱を味わせたい
という気持がありました。
でも、過去の私にとってこれらをすることは、”悪”であり、”やったらいけないこと”でもありました。
それは、いつかのあの頃に、いわゆる、相手を突き落とすとか、相手にやり返すとか、相手に屈辱を味わせるとか、
- こういうことをするのは、絶対にダメ
- こういうことをしたら捨てられる
- こういうことをしたら悪人となって、みんなから冷たくされて孤独になる
という深い思い込みができていたからです。
そう、とてつもなくこれらのことをしたいのに、絶対にやってはいけない、というブレーキがいつもありました。
その結果、私はまっ正面から
- あなたが悪い
- どれだけ傷ついたか知ってよ
- 心の底から反省してよ
- 同じ気持ち味わってよ
という意味で、
- 相手を突き落とすとか
- 相手にやり返すとか
- 相手に屈辱を味わせるとか
を、できなかったわけです。
かつ、そのやり方では、その思いを果たせなかったを知っていました。
そのやり方ではむしろ、こちらが不利になったり、余計に孤独の真っ暗な世界に落とされると、どこかそう思っていました。
だからこそ、そんな私にとっての復讐や、相手に分からせる、をするには、
- 自分がいかに正しさに傾き
- 良い子に傾き
- 悪いとされることを一切やらずに
- 相手を一切傷つけず
- 自分が悪いとされる行為を一切せず
- 自分が不利になることを一切しない
というやり方で、無意識で復讐しようと(分からせようと)していました。
こちらが正しさに傾き、これだけ正しく生きていて、良い子な私が被害にあった時、いわゆるそれは、かわいそうな立場であり、このように正しく良い子な私が被害者になれば、周りは私の見方をしてくれたり、結果として相手は心から反省せざるをえない、と、そう思っていたんです。
このやり方なら、私が悪者になることなく、私が不利になることなく、
- 相手を突き落とせる
- 分からす事ができる
と、思っていました。
このやり方で、私にとっての『許せない』を果たそうと、復讐していました。
でも、このやり方でいつも果たそうとしては、相手に分かってもらえるわけでもなく、”成功”したことはありませんでした。
これを繰り返しては、『どうして私ばっかりいつも理解されなくて、こんな目に合わないといけないの。』という思いでいっぱいになりました。
そうやって悔しい思いをしたら、また違う時に同じようなことが起きる。
それくらい、過去の私には、”許せない相手”がなぜかいつも現れていました。(今だからこそその原因や理由が分かりますが・・)
いつだって許せない対象が現れて、同じやり方でいつも挑んで、
- なぜかいつも悔しい思いをして
- 屈辱を味わう
を、繰り返していました。
許せないくらいの怒りの背景にあるもの
そんな私が、『許せない』と強く感じて、分からせようとする、という復讐をしようとしてしまうきっかけが、
- 私が嫌って感じてるのに、どうしてやめてくれないの
- どうして私の気持ちを分かってくれないの
- 私のことバカにしてるの
- 私が傷ついていることに優越感感じてる?
といったような、”相手から奪われている時”や”屈辱を感じている時”でした。
それが積もると、お伝えしたようなやり方で分からせようとする、ということをしていました。
でもね、ここに大切なポイントがあります。
一見、許せなくて、相手がずるくて、どうして私だけこんな思いをしないといけないの?と感じる出来事でも、よーく見てみると、
”そこまでして相手に合わせたり、尽くしたり、我慢したり、自分の気持ちを伝えなかったり、離れなかったり、自己犠牲していた自分がいる”ということが見てくるんですよね。
最初から相手に伝えたり、拒否することなく、さらにその後に正しさや良い子でいることで分からせようとしているから、こちらにとっては苦しみや怒りが上乗せされるわけです。
でも、その時の私はこう思いました。
- だってこうしないと、
- 相手が離れていってしまう
- 浮気しちゃうかもしれない
- 不機嫌な態度をされる
- 何をされるか分からない
といったような、捨てられてしまう恐怖があったんです。
『私がこうしてないと、相手がこうしてくるじゃん。(私を捨てるでしょう?捨てるかもしれないでしょう?)』という感じです。
だからこそ、相手が傷つくことを言ってきたり、都合よく扱ってきたり、それでも離れずに、相手のその態度を受け入れながら、自分の思いを伝えたり、拒否するのではなく、正しさに傾き、良い子でいることで、相手を悪者にした上で、どうにかして分からせようとする、をしていました。
そう、そもそも、”こちらが嫌と感じていることを、伝えたり拒否したりせず、受け入れる”
↑この部分を私がやっていたからこそ、それだけ許せないとなるくらいの怒りがわいていた、ということに気づかないといけなかったんです。
もちろん、だからあなたが悪い、いけない、という意味ではないし、時に相手が明確にあなたに失礼なことをしている、ということもあるでしょう。
でも、ここで大切なのは、”あなたもあなたで、受け入れるのではなく、伝えたり、拒否する、ということをしないといけない”ということなのです。
自分が嫌と感じるキャパを超えることを受け入れてしまうからこそ、結果として相手に対して『許せない』となり、分からせようと繰り返す。
これがあなたに起きる、苦しみのループの紐解きであり、こうして見ていくと、もう超え方が見えてくると思うんですね。
この戦いでいつも苦しみ、許せないが発生して、怒りや憎しみを感じていました。
きっとこれを読んでいるあなたも、共感するところがあるのではないでしょうか?
あなたは解放されて良い
でね、今回のお話のたどり着く先、”自由になれないことで、苦しみ、怒りを感じている”、ということがあります。
- NOと言ってはいけない
- 断ってはいけない
- 拒否してはいけない
- 受け入れないといけない
- 怒ってはいけない
↑これらの縛りがあったと思います。
でも、それをしないといけない相手というのは、あなたから奪っていく人であったり、支配してくる人、なのではないでしょうか?
そういう人は、こちらが拒否して良いし、奪っていく人や支配してくる人”ではない人”は、あなたがNOを言ったり、自分の気持ちを伝えたりしても、ちゃんとあなたのその思いを尊重してくれます。(そもそもあなたに失礼なことをしない、ということもあると思いますが。)
そのため、あなたはもう、自分の思いを我慢させるのではなく、嫌と感じたらNOを伝えて良いし、自分の思いを相手に伝えて良いし、相手がそれでも理解してくれないのなら、こちらから離れて良いのです。
さらに、あなたは自分への制限を手放していくだけではなく、そもそも、あなたにふさわしい相手をあなたが選択していく、ということも大切です。
- あなたが自由でいても
- 変わらず同じ距離で
- あなたを大切にして
- あなたを尊重して
- あなたを愛してくれる人
を、本当は望んでいるのではないでしょうか?
本当はその奥に何があったの?
そして、この部分をもっと突き詰めていくと、あなたはたまたま偶然、”そのやり方で許せない相手を分からせようとしていた”のではなく、そもそも、『分かってほしい、分からせたい』という取り残された思いや痛みがあったからこそ、その思いを果たすために、その相手が必要だった、ということもあるかもしれません。
このように、”いつかの痛みを果たすこと”が恋愛や人間関係にスライドされ、無意識の目的になってしまっていることも、実は少なくないんですね。
幸せな恋愛を叶えようと自分を犠牲にしながらも、どこかで爆発した先に分かってもらえる瞬間、(『やっと振り向いてくれたという瞬間』)を望んでいる自分もいるかもしれません。
これは、だからあなたが愛されない、いけない、ダメ、ということではありません。
そうではなくて、幸せな恋愛を叶えたいのに、中々うまくいかない、なぜかいつも悲しい恋愛を繰り返してしまう、という時、ここの部分(そもそもその思いの奥には何があったんだろう?というところ)を見ていくことは、大きな近道となっていきます。
まとめ
『許せない』という時。この気持ちが溢れて苦しいという時。
実は、その先の光を受け取れるチャンスでもあります。
過去のスライドに気づき、終わらせるチャンスでもあります。
今日お伝えしたことを参考にしながら、許せないの奥にあるあなたの思いを少し見てみましょう。
きっと何か受け取れるものがあると思います。
参考になりましたら、幸いです。