今だからこそ分かる。
お父さんが言っていた事、していたことはたしかに正しかった。
ただ、やり方と支配が良くなかった。
でもこれは結果として、最初はこちら側としては抵抗しかわかなくなるけれど、私達にただいなるダメージを与え、その分生き辛さも与えられ、結局はここに戻らざるを得なくなった。
辛くて苦しくて絶望で破壊で、そんな人生に悲鳴を上げ続けた結果が、ここに戻ってくることに繋がっていた。
そして、本物であろう感覚が研ぎ澄まされ、見抜けるよう分かるようになった。
最初から父が親和的に教えてくれていたら、それはそれで良かったのかもしれない。
でも、その先にはここまでの光はなかったのだと思う。
絶望的な闇を見せてくれたからこそ、見えるようになった光があった。
そういう意味では、父がしてきたことは、1番のやり方だったのではないだろうか。
父はもちろん意識としては、無意識だったと思う。
父もまた、その中で激しい生き辛さと傷があったのだと今だからこそ分かる。
あのタイミングで天国に行ったのも、今思えば、父の受け渡し、役目、深い愛なのだと分かる。
私としては、世間一般的な父との愛をずっと求め続け、憧れを持っていた。
でも、こういう愛もあるのだと。
深い魂レベルでは、とてつもない深い愛なのだろう。
悪役ができる、大きな愛。
父は生きている間、ずっと孤独で、寂しくて誰かに甘えたくて、分かってほしくて、そんな葛藤の中、光を求めて正義に傾いてきたのだろう。
いきすぎた正義が反転するかのように、父のその反対も見てきた。
父の愛は深かった。けれど、父の宿題は取り残されたのだろうか。
それは私にも分からない。正解は分からない。
だからこそ来世があるのなら、心から愛を感じられるよう、幸せになってほしい。
そう思うけど、父の魂としては、今世してきたことは、喜びなのかもしれない。
役目を果たすことができたのだから。
父が好きだった白、身の回りの綺麗さ、神社のような清々しい潔癖さ、白い砂利、お花、白装束、ずっと抵抗して大嫌いだったけれど、私が整えられていくとともに、自分がシンプルになるとともに、点と点が繋がっていった。
父よ、私の人生はあんたのせいで壮絶だった。
でも、中々見れない景色を、世界を見せてくれて、深い愛を人生をかけて見せてくれて、教えてくれて、ありがとう。
どうか私が使命を果たせるように。天命を果たせるように。
まっすぐ、突き進んでいけるように。
父のお墓参りに行く道で見た虹と共に。